アジア大陸と日本の交流を考えた50周年記念シンポジウム(二日目・第Ⅱ部)

野尻湖発掘50周年記念行事 2011年10月2日(日)
第Ⅱ部 「野尻湖発掘50周年記念シンポジウム ー野尻湖における旧石器文化・哺乳動物相・古環境―」

10月2日の記念シンポジウムでは、はじめに韓国・朝鮮大学校の李起吉教授に「朝鮮半島南西部の旧石器文化の特徴と発展」という講演をしていただきました。

先生は日本に近い光州を中心に、各地の遺跡発掘を指導され、旧石器がご専門です。6〜4万年前の遺跡では古い時代のハンドアックス、ピックなどの大形石器が残り、その後、後期旧石器時代にも前時代と似た石器が小型化している、という興味深いお話でした。

シンポジウムでは、内山高さん(地質)から野尻湖の地質についての総括的な発表、近藤洋一さん(哺乳類)から動物化石についての成果と意義、中村由克さん(人類考古)から、野尻湖の石器、骨器からわかった旧石器文化について、基調報告がありました。

討論では、谷和隆さん(県埋文)、酒井潤一さん(調査団顧問)から後期旧石器時代初期の遺跡の内容と約3.8万年前ごろの地層が湖底にないこと、大竹憲昭さん(県埋文)から竹佐中原遺跡(飯田市)などの野尻湖と同時代の遺跡の特徴についての話題が出されました。熊井久雄さん(調査団顧問)からは、ホモ・サピエンスのアジアヘの移動の波は何度もあり、その早い波が注目されること、渡辺哲也さん(人類考古)からは野尻湖のキル・サイトの根拠とその評価について、発言がありました。

最後に李先生と通訳の張龍俊さん(国立金海博物館)からは、野尻湖では古い段階の人工遺物が出ているが、韓国との共通性をさがすのはまだ難しい。じっくり研究すればつながりが見えることを期待したいと、まとめていただきました。